PatentWatch

注目特許の紹介や、出願経過をウォッチしていきます。

CERN内ウラシマ効果利用縮小LHC弱過去強未来ワームホールタイムマシン

出願番号:特開2018-50474
公開日:2018.3.29
出願人:加治佐  功

 いやー、ついにタイムマシンきちゃいましたね。分類不能案件。
 タイムマシンに関して、この出願人は繰り返し出願していまして(特開2012-196141)、よっぽど日経サイエンスのSF特集が好きなんだなあ、という印象。

 今回はPHP研究所が出版している「タイムマシンがみるみるわかる本愛蔵版」を元ネタにして出願したようです。審査請求→拒絶理由通知→意見書提出→上申書提出→拒絶査定という、この手の出願にしてはかなり頑張った審査経過をたどっております。ちょっとみてみます。

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【雑記】弁理士試験最終合格発表

平成最後の弁理士試験(!)、ついに最終合格の発表が本日ありました。

 

www.jpo.go.jp

 

志願者数3,977人、受験者数3,587人に対し、合格者数は260人であり、合格率は7.2%とのことで、合格率としては易化しているように見えますが、いまだ日本国内でも屈指の難易度の国家試験であることは間違いないですね。

 

結果概要は、特許庁HPによると、以下のとおりです。

合格者の方、本当にお疲れさまでした&おめでとうございます!

 

  • (1)志願者数  3,977人(前年度 4,352人)
  • (2)受験者数  3,587人(前年度 3,912人)
  • (3)受験率(受験者数/志願者数)  90.2%(前年度 89.9%)
  • (4)合格者数  260人(前年度 255人)
  • (5)合格率(合格者数/受験者数)  7.2%(前年度 6.5%)
  • (6)合格者平均受験回数  3.8回(前年度 4.2回)

トンファー型タイヤレンチ

実用新案って、無審査で登録されるので、トンデモ率が特許より高いかな、と思いきや、実際のところはそもそも「実用新案登録」という制度自体があまり浸透していないからか、とびぬけてトンデモってのはあまり見受けられないんですね。

 

今回は、工具に関するサーチをしていたら見つけた実用新案。真面目に検索をしているときにこういうのに当たるとノイズではあるもののじっくり読んでしまいます。

 

【課題】 タイヤレンチを護身用具とすることができるようにする。
【解決手段】 タイヤレンチをトンファー型にすることにより、護身用具としての機能を持たせるようにした。

 

【出願番号】実願2001-5514(U2001-5514)
【出願日】平成13年7月16日(2001.7.16)
実用新案権者】高橋 時則

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ジンセノサイド組成物

特許番号:特許第5697121号
登録日:2015.2.20
出願人:金氏高麗人参株式会社

 先日、青山あたりを歩いていたら、路線バスのラッピング広告で、「特許商品」という文字がデーンと書いてあるものを見かけました。走っているバスだったので、どうやら高麗人参に関するものらしい、くらいしか視認できなかったのですが、ちょっと気になったので、『特許商品 高麗人参』でググってみると、すぐに見つかりました。特許製品、ではなくて、特許商品という言い方は案外しないですよね。変な言葉ではないですが、計算ずくで広告にしてるとしたらスゴイ。

www.kouraininjin.com

 ホームページに、『神秘の健康力』含有主成分に関する特許を取得しました、とのプレスリリースがあり、なんとなく胡散臭いなあ、トンデモ案件かなあ、などと思いながら、ちょっと当該特許をみてみました。

 結果、結構しっかりした内容で、一発特許でした。

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台風、爆弾低気圧中心部の気圧を揚げる方法

もうすっかり秋ですね。今年は自然災害が立て続けに起きて、大変でした。

特に台風の影響は、特許庁周辺の街路樹も倒れるなどしたようで、都心でも結構な被害が出たと思われます。

 

今回紹介するのは台風を消す大発明ですw

案の定、未審査請求で取下擬制といういつものコースをたどっております。

 

公開番号:特開2009-296887
公開日:2009.12.24
出願人:足立 一良

 

【課題】台風襲来で列島が荒れる。しかし、恵みの雨は頂きたい。ジレンマを学生時代から持っていた。
【解決手段】台風、爆弾低気圧の目に潜入し、潜水艦で海水を噴水する。すると、海水の気化で体積1600倍の空気になり、中心気圧が上がり空気の求心力が優しくなる。

 

チラシの裏にでも書いておけというような内容ですが、ちょっと見てみます。

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ELECTRONIC DEVICES WITH FLEXIBLE DISPLAYS

特許番号:US 10020462 B1
登録日:2018.7.10
出願人:Apple Inc.

 

 アップルの「折り曲げ可能ディスプレイ」の特許出願が7/10に米国で登録されました。なお、優先日は2015/7/30となっています。

 このようなヒンジを持った畳めるディスプレイについては以前からサムスンをはじめ、各社が開発を進めてきたことが知られていますが、米国では先んじてAppleが基本特許を押さえたという感じですかね。ちょっとみてみます。

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【雑記】商標における民間調査者の活用

 10月17日の日経新聞の朝刊5面に、「商標調査に民間弁理士」という記事がありました。

 

記事の概略は以下のとおりです。

特許庁は、商標審査に民間弁理士などを活用し、2021年度までに60人程度の調査部隊を組織し、報告書作成等を委託する。

>商標出願件数の大幅増加により、出願から登録までの期間が5年前の1.5倍となっている。今後も出願増加が見込まれるため、審査体制を強化する。

 

 特許における任期付審査官みたいなものかな、と最初は思ったのですが、どうやら調査部隊を作って、そこに委託するという事業のようですね。審査官を民間から登用するというのとは根本的に異なるようです。どちらかというと特許におけるサーチャーを育成するということですかね。登録調査機関のIPCCとかありますけど、あんなイメージなのかな。

www.ipcc.or.jp

 

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