コマ玩具
特許番号:特許第6232113号
公開日:2018.4.26
出願人:株式会社タカラトミー、株式会社東京ユニーク
発明者:村木誠
一昨年くらいから子供たちの間で流行した「ベイブレード」ですが、そのテレビ番組「ベイブレードバースト」において、主人公が使っていた機種『ゴッドヴァルキリー』の特許がありましたので、ちょっと見てみます。
(注:最新の「ベイブレードバースト超Z」の主人公機ではありません)
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※特許査定後の請求項を以下に記載します。
【特許請求の範囲】
【請求項1】(全請求項数3のうち、抜粋)
胴体と軸部とを備えるコマ玩具であって、
前記胴体は、互いに相対回動可能に取り付けられた複数の回動部品を有し、
前記複数の回動部品のうち少なくとも2つの回動部品は、
互いに接触して当該2つの回動部品の回動範囲を規制する接触部をそれぞれ有するとともに、
互いの前記接触部が、当該2つの回動部品の相対回動に伴う接触を繰り返すことで次第に接触程度が軽くなり、遂には回動を規制できる程には接触しなくなる結果、前記回動範囲が広がるように構成され、
前記2つの回動部品のうちの一方の回動部品を他方の回動部品との間で回動可能に支持しつつ、当該他方の回動部品に固定された他の部品をさらに備え、
前記他の部品は、付属部品を取り付けるための孔部を有し、
前記孔部は、前記2つの回動部品の回動範囲が広がる前の第1の状態では前記一方の回動部品に閉塞されており、当該回動範囲が広がった第2の状態への移行に伴って前記一方の回動部品が相対回動して当該孔部が開放されることを特徴とするコマ玩具。
この請求項1、実際リアルタイムでベイブレードバーストで遊んでいたキッズや親御さんには、鳥肌モノじゃないでしょうか。
上記「付属品」って、『ストライクゴッドチップ』のことですよ。
請求項の表現は難しいですが、簡単にいえば、上下2つの回る部品があって、それが最初は回転角度が規制されているけれども、使い込んでいくうちに(すり減って)回転角度が大きくなって、それによりストライクゴッドチップを取り付けられる穴が出現する、という発明です。当たり前かもしれませんが、開発当初からこのギミックが仕込まれていたんですね。
そして、発明者の村木誠さん、あの『マスターブレーダー村木』さんですね!
ベイブレードバースト 「-無限ベイスタジアムDXセット編- マスターブレーダーセレクション」
出願経過をみてみますと、この特許出願は「早期審査」を申請して、権利化を急いだようです。そりゃあ、テレビ番組と実際の玩具の販売が迫ってるわけですからね、特許権も急いで取得しないといけなかったわけでしょう。
しかしながら、出願当初の請求項ではいわゆる「一発特許」にはならなかったようです。
出願当初は、単に2つの回動部品が徐々にその回動範囲を広げていくということだけの権利を主張していたのですが、そういったコマはすでにバンダイや中国の製品に先例があるため特許にならず、特許審査官との面接と、請求項等の補正を行い、上述のとおり、「2つの回動部品の回動範囲が広がる前の第1の状態では前記一方の回動部品に閉塞されており、当該回動範囲が広がった第2の状態への移行に伴って前記一方の回動部品が相対回動して当該孔部が開放される」という限定を入れたことによって特許となったようです。
おもちゃの特許ですが、大変な努力によって製品になってるんですね。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/PU/JPB_6232112/BE219BFB04540546CFEA32DA26052AF2
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