2018-10-16

切断刃及びフィルムロール収納容器

公開番号：特開2016-137913
公開日：2016.8.4
出願人：旭化成株式会社

　我が家では食品を保管等するときや電子レンジにかけるときのラップは「サランラップ」か「クレラップ」を買うことが多いのですが、先日サランラップを買って、ふと、『あれ？なんか変わったかな』と感じたので、早速製造元である旭化成のウェブサイトをみてみました。
http://www.asahi-kasei.co.jp/saran/products/saranwrap/

　すると、どうやらパッケージの握った感じを変えたそうで、2mmほど細くなったようですね。断面の縦横ともに2mmずつ小さくしたとのことですから、認知できる程度の違いが発生していたということでしょうね。

　それと、箱についているカッター刃の形状をＭ字型に変えたそうです。Ｍ字型とすることで、切るときにかかる力が少なくて済むとか。

　なるほど、パッケージを細身にしたくらいではダメでしょうが、カッターの形状を変更したとなると、特許のニオイがしてきました。

　早速調べてみますと、やっぱり出願されていましたね。このブログを書いている時点での審査状況は、最初の拒絶理由通知がされて（拒絶理由は『進歩性なし』）、それに対する意見書が提出されているという状況です。補正なしで審査官と全面戦争ってことですね。むむむ、これはアツイ！

【課題】フィルムロール収納容器に設けられる切断刃の十分なカット性を実現しつつ、ユーザを怪我させない十分な安全性を確保する。

　なるほど、カット性と安全性の両立が課題ってことですね。ちょっと見てみます。

2018-10-15

人形つき算盤

公開番号：特開2001-142556
公開日：2001.5.25
出願人：工藤一徳

　いよいよ弁理士試験の最後の関門、口述試験が迫ってきましたね。
　受験生の方、最後の頑張りに期待しています！

　さて、今日はそんな気合の入ったピリピリした空気を少しでも和らげられればと思い（？）、弁理士を介さない個人出願（別名やりたい放題出願）を１つ紹介したいと思います。

【課題】本発明は、人形の尻に算盤を取りつけて、文字、形、言葉、視覚と聴覚で受け取らせ、訴え、問いただす事によって、人の尻を追い回すパパラッチィを撃退させる人形つき算盤に関するものである。

　・・・どこから突っ込めばいいのかわからないほどすごいですね。
　ちょっとみてみます。

2018-10-12

社寺の巡礼・参詣方法

公開番号：特開2002-136419
公開日：2002.5.14
出願人：清水直樹　他

特許法第29条　産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。（以下略）

　こちらは「特許法第29条第1項柱書」の部分です。特許法は「発明を保護する」という法律、仕組みですが、はたして発明って法律上どんな定義になっているのでしょうか。

特許法第２条　この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。（以下略）

　はい、発明というのは自然法則を利用した技術的思想の創作でなければならないのですね。そして高度であると。まあ、事実上この「高度」はさほど意味がないのですが、自然法則を利用した技術的思想の創作という点で「おまえのその思い付きは発明じゃねーよ」という拒絶理由があるんですね。それが上述の「特許法第29条第１項柱書違反」です。　

　今日紹介するのは、そんな第29条第１項柱書違反の特許出願です。ちゃんと（？）拒絶査定になっています。

【課題】四国八十八ヶ所巡礼等の巡礼や全国各地の社寺参詣が、的確にして効率良くできる代行巡礼方法・代行参詣方法を提供する。

　実にうさんくさいですねー（笑）。